チェックメイト
「・・・・どーぞ」

「う・・・うん」

汚いけど・・・とつぶやいて照れ笑いをした。

少しかわいくみえた。

「適当に座って?」

「へい」

彼はコップに飲み物を注いでいる。

彼の匂い。

彼の家。

居心地がいい。

何より優しかった。

ガシャーン!

「え・・・・・・何」

「・・・いててっ」

コップが割れて怪我を負った彼は

少しかっこ悪そうに

切なく笑った。

弱々しく、でも気を使っている笑顔。
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