EGOISTE

恋心





「僕はまこが―――、いや、


林 誠人にずっと恋してた」





水月にそう告白されたのは半年以上も前のこと。


まだ教え子である鬼頭と付き合う前の話だ。




男に告白されたのは初めてだった。


どちらかと言うと俺は同性から嫌われるタイプで、ゆえに友人も少ない。


気持ちが悪い、と言うよりもただひたすら驚いた。


俺は自分が言うのもなんだが、他人に対して容赦がないし冷酷とも言える。


“誠人”なんて完全に名前負けだ。



利己主義者。



その言葉が一番しっくりくるかな。


だから、好かれる理由が見当たらなかった。





だけどこいつはまっすぐに気持ちをぶつけてきた。







俺にはできない芸当だ。









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