EGOISTE

翌朝……


と言うか明け方?俺は前触れもなく目が覚めた。


起き抜けなのに、胃に鉛が詰まっているかのようにどんよりと重い。


「……ってー」


胃を押さえながら起き上がると、起き上がった瞬間に胃液が喉元までこみ上げてきた。


覚えのある熱い感覚と、酸味のある唾液が口をいっぱいに広がる。


俺は口を押さえると、トイレに向かった。


激しく咳き込んで、嘔吐すると、昨夜食べたもんが全部吐き出された。


大した量を食べていないのか、それほど出てきたわけじゃない。


嘔吐物を流して洗面所で口と顔を濯ぐといくらかすっきりした。


洗面所の鏡に自分の顔を映し出してみると、げっそりと青白い自分の顔が映った。


「ひでぇ顔……」


思わず自嘲じみた笑みがこぼれる。






「何?昨日飲みすぎたの?」



背後から声が聞こえ、鏡の端に鬼頭の顔が映った。



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