EGOISTE

やっべえぇぇぇ!


やっちまったか!!


俺は額を押さえた。




水月(ミツキ)に殺される!!


てか何でこいつがここにいるんだ?


…そっか。昨日俺がここに来たときこいつもいたんだっけ。



「ん……」


鬼頭が俺の腕の中で身じろぎした。


長い睫が震える。


ピンク色の荒れていないきれいな唇から白い歯がちらりと覗いていた。


黒い長い髪の一房が耳から白い頬に滑り落ちる。




あんまりまじまじ見ることがなかったけど、こうやって見るとまだガキ(高校生)とは言え整った綺麗な顔立ちをしている。



記憶がないとは言え、ちょっと得したかも。


いやいや、相手は親友の彼女で、それにまだ未成年だ。


大問題だろ!


なんて考えてると、鬼頭の目がパカっと開いた。




出し抜けに。


びっくりして声も出せないでいると


「……おはよ~。起きたぁ?」


鬼頭はまだ眠そうで重いまぶたを何度かぱちぱちさせ、のんびりと言った。









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