EGOISTE



「まこ!!」

「先生!!!」



薄れ行く意識の中、二人の声が聞こえた。


罰が当たった。


そう思った。


水月にあんな酷いことをしたから。


水月を裏切ったから―――





でも



「先生…!どうしちゃったの!!」


必死に俺の手を握りしめてくる鬼頭の小さな手は温かく、


「雅!救急車だ!!早く!!」


俺を背後から支える水月の力は思いのほか力強く……





こんな俺でも、捨てないで居てくれるやつらがいることに



俺は初めて気が付いた。








視界がかすんで、ゆっくりと黒く侵食されていく。



あぁ





まさにブラックアウト……





意識が落ちていく寸前




水月もこんな感じだったのかなぁ





なんてのんびりと思った。









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