EGOISTE


俺はベッドの脇に置かれた椅子に行儀良く腰掛けた水月をちょっと上目遣いで見た。



「首固めたことだろ?それから……」




キス……という単語は中々言い出せなかった。


男にキスしてしまったという情けなさと、親友にしてしまったという後ろめたさが混合して俺の心は複雑だった。




「まぁ首はちょっと…やっぱ嫌だったけど。でもキスのことは怒ってないよ」




うぉ!そんなストレートに言うなよ。


こっちが恥ずかしくなる。


って言うかこれがお前の仕返しか?



可愛い顔して、怖えぇな。





そんなことをあれこれ考えていると、


「……怒ってない……」


水月はちょっと赤くした顔を俯かせて、消え入りそうな声で呟いた。





「不覚にも……ちょっとぐらっときた……」




は、はぁーーー!!!



いや、いやいやいやいや…




俺が口をぱくぱくさせていると、




「だって……ずっと好きだったんだよ、僕は…。


今は雅と付き合ってるとは言え、やっぱその気持ちはいつになっても消えたり、忘れたりしないよ」




そ、そうだけど……








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