EGOISTE



俺の笑い声につられてか、水月も・・・やがては鬼頭も声をあげて笑った。


そうやって三人笑い合っているうちに、心のわだかまりも綺麗に吹き飛んでいく。


そんな気がした。




落ち着いたところで、水月は鬼頭を抱き上げながら、ベッドから起き上がる。


「今日はちょっと顔出しただけなんだ」


「そうなの?ゆっくりしてけよ」


「そうしたいけど、これから補習授業が入っててさ」


「あ、そ。ご苦労なこって」


結局水月は、俺に本を無理やり押し付け鬼頭を残し、帰って行った。


あいつ、ホントに何しに来たんだか・・・


んでもって押し付けられた数冊の中の一冊の本のタイトルを見ると、


“その性格を直す本”となっていた。


あんにゃろ。


俺に喧嘩売ってンのかよ!


そして水月が帰って行ったのと入れ違いに楠 乃亜が病室に尋ねてきた。


「おひさ~♪」


と元気よく入ってきて、手にはコンビニのビニール袋を提げている。


また厄介なのが来た・・・・・・


げんなりした顔で俺は入り口に立つ楠を見た。





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