恋色オレンジ*2*〜ずっと青春〜



「うそ……」



目の前から聞こえた、ミチの小さな声。


その瞬間、ふとマナと目と目が合い、俺たちはウンウンと黙ったままうなずき合った。



やっぱ…来て良かった。

ぶっちゃけ今の時期は仕事が忙しくて。今日も朝から工事の予定が入っていた。



だけど…



「今日だけでいい、一生のお願い!」



ナオからあんな電話かけてこられたら…



「親父ごめん、今月の休みナシでもいいから今日だけどうしても休ませてくれ。なんなら来月も休みナシでもかまわない」



そりゃ、必死で頼んでこっちを選んでしまうだろ。



「翔がさ、ミチの誕生日をどうしても五人で祝ってあげたいって言ってるんだ」



そんなこと言われたら…

無理をしてでも、ここに来たいと思ってしまった。



「よし、じゃあ今月は残りの休みナシだからな」


甘くない親父にはやっぱりそう言われてしまったけど、本当にめちゃくちゃ感謝してる。


「大事な用なんだろ、突っ立ってないでさっさと行ってこい」


そう言って、俺を送り出してくれたから。

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