舞う姫と星の王子
舞姫たちとあと5mぐらいしたところで舞龍の幹部がしゃべりだした。
「流星さん、またお会いできてうれしいです。後ろの幹部の方々も」
「なぁ流、こいつとどっかで会ったことあるか?俺、覚えてないんだけど……」
「俺も覚えてない……」
「別に覚えてなくてもかまわないんだけど……」
「んで、姫どうすんの?」
姫?さっきっから幹部のヤツらが舞姫のことを姫って読んでる。
どうせこの名は偽名みたいなもんだろうな。
黒い服に深くフードをかぶっていて、顔は見えない。隙間から髪が少し見えるくらい。髪は噂どおりのクリーム色だな。見た目も謎ばかりじゃねぇか!
「あんたが噂の“星龍の無敵の総長”流星さん?」
「ああ、そうだ!そういうお前は、舞龍の舞姫だよな?」
「そう、私が舞姫。あんたたち、そんなに私のことが知りたいの?」
こいつ、何でそんなことまで知ってるんだ?聞いたら答えてくれるのか?
「ああ、知りたいさ。4年前から調べ続けてるのに何一つ分からなかったからな」
「ふ~ん、そんな前から。それじゃあさ、賭け事しよ!」
「賭け事?何をかけて?」
「ん~。あんたたちが勝ったら私が自分のことを話す。でもあんたたちが負けたら……」
「負けたら何だよ!?」
「そこの気の強そうなおお嬢さんをもらう。それでもいいなら、教えてあげるわ私のこと」