!戦いで人は成長する!
こんな感じで時間を過ごし、残り僕と言い出しっぺのk君だけになった。

僕が立ち上がると、
『いや、教官は最後に大爆笑を取ってもらうつもりやから見といてくれ!』
と、k君が僕を座らせた。

k君は、
『溺れる人の必死さ』
と、言い、川に飛び込み、
『ヘルプミ~!』
外国人の真似をしながらバタバタと手をばたつかせていた。

すると、急に、
『助けてー!』
と、外国人の真似が疲れたのか日本語に変り、川の一番深い場所に沈んだ。

みんなは迫真の演技だと拍手を贈った。
それでもk君は浮かんでこない。
こんな長い時間、体力的にも潜れるはずがないと思い、急いで潜った。

暗い水中にk君の赤色をした海パンが目に飛び込んできた。
とっさに海パンをつかみ、浮上しようとしたのだが、何かもの凄い力がk君を放さなかった。
一度、息継ぎをする為に水面に顔を出し、大きく息をすって再びk君の所に戻り、上がらない理由を探した。
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