!戦いで人は成長する!
それから川に荷物を取りに戻ろうとすると、後輩達も静かに僕の後を付いて来た。
ゆっくり振り返り、
『お前らは先に道場に帰っといてくれ。俺は少し1人になりたいから荷物は俺が持って帰るから…。』
と、言い残し再びフラフラと力なく歩き出した。

川に戻ってくると、k君との思い出が走馬灯(そうまとう)のように見え始め、自分の無力さに苛立ちを感じ、「このままでは終われない…終わってはいけない!もう、自分のせいで誰も死なせない!」と、強い気持ちを持って川に飛び込んだ。

目で確認出来る木の根を片っ端から抜いていこうとした。

上からは木や石がゴロゴロ落ちてきて頭に当たっても痛みを堪え、何度も息継ぎをしながら友達を失った場所の周辺の根っこを全て抜く事に成功した。

よろつきながら川岸に上がると、いつの間にか後輩達が川岸で僕を見つめていた。

まだ、苛立っている僕は、
『お前ら。なんて顔で俺をみてるんや!俺は今からこの川にある根っこだの釣糸だのを全て排除してやる!』
と、厳めしい(いかめしい)顔で後輩達を威嚇(いかく)し、誰も傍に近付けなくした。
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