！戦いで人は成長する！

だが、
『そんな事だろうと思った。アンタのせいでk君が死んだんじゃないでしょ。あのオバハンはちょっと言い過ぎてたけど、動揺して言っただけやから気にしたらあかんよ。まっ、何にせよ強制的に連れて帰るから。バカな真似はさせへんよ。はい！作戦開始！』
と、Ｒが説教を混ぜながら誰かに号令をかけた。

すると、Kを含め体格のいい４人が僕を囲んで、腕と足を一斉(いっせい)につかみ、食べられる為に捕われたブタの様な格好で持ち上げられた。

荷物は他の後輩達が分担して持っていた。

僕は恥ずかしい気持ちと怒りが込み上げて、
『降ろせっ！今すぐ降ろさな後で後悔するほどどついたるからな！』
と、脅したが、Kが、
『うるせぇ！いちいち暴れるなっ！お前も死んだら俺らがどんなに悲しむか考えろ！』
と、言い返してきた。
Kの言葉が心に響き、
『こんな夏なんて嫌いだぁぁぁ！』
そう叫ぶと力が入らなくなり、おとなしく変な格好のまま道場に運ばれていった。