!戦いで人は成長する!
部外者を叩きのめした後、Hが持ってきた一本のロープで手足を縛り、
『さぁ、目的を話してもらおうか。』
そう聞くと、あっさりと答えた。
『俺は頼まれたんや…。』
部外者が言うには、明日の1試合目で当たる予定の道場の奴らに脅されて試合時間まで立てこもれと言われたらしいのだ。
しかし、コイツをただで帰すわけにはいかないと思った僕は、空手の先輩が警察官をしてるのを知っていたのでこっそり連れて行ってもらった。

ところで、何故、部外者がロープを見て座り込んだかというと、昨日ボタン鍋(猪鍋)をしたのだが、後片付けを忘れてた為、猪の血抜きしたバケツがあったのだ。
それで、Hにそのロープに血をベッタリ付けて雑巾で軽く拭いて持って来いって指示していた。
部外者がそれを見れば僕の脅しを本気にすると思ったのだ。
作戦は成功だったが、ナイフが飛んできたのは予想外の展開だった。
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