!戦いで人は成長する!
平野を出発して3時間が経った頃、頂上にたどり着いた。
もう体力は限界を迎え、強力な睡魔に襲われて倒れこんだ。

僕は知らない内にうつぶせのまま眠ってしまっていたらしく、変な夢をみた。
それは、コウモリの羽の生えた化け物に追いかけられる夢だった。
飛んでくる化け物から逃げ切った所で目が覚めた。
体を回転させ、空を見上げた。
太陽の光が僕の目をしばしばさせる。
ゆっくり起き上がり、現在地を確認した。
見覚えのある風景に囲まれていた。
荷物を拾い、寝ぼけながら下山を試みた。

今、居る場所は馬乗せから1時間ぐらい戻った登山用の道。
小学生の時からよく遊びにきていたのであらゆる裏道を知っていた。
帰るのに一番速い道は通称【試練の道】という岩場などを降りて行く道。
だが、一歩踏み外せば多くの岩や木に叩き付けられ、骨を粉々にされてしまう。
下手をすれば即死という、まさに修行には丁度いい場所だった。
寝ぼけていなければ。
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