!戦いで人は成長する!
六つ目の難関にさしかかった。

六つ目は角度50度ぐらいのデコボコした短い下り坂を下りるだけなのだが、小石と土粘土で足場が悪い。
その上、春夏秋冬関係なく毛虫が地面のあちこちにいて滑ってこけたら毛虫の毛針の餌食になってしまう精神的に嫌な関門だった。

僕は毛虫の毛針がまぶたに刺さり、ピンポン玉ぐらいに腫れ上がった経験があったので、警戒心むき出しで足を踏み出した。
上からも毛虫が垂れ下がっていた。
土粘土を踏むとニュルと、滑って転倒は免れないので小石の上を滑るようにして関門をクリアした。
しかし、毛虫を何匹か巻き込んで滑ってしまい、靴の中に毛虫一匹と小石数個が入り込んだ。
『痛てぇ!』
慌てて靴を脱いで足を確認した。
靴下にはたくさんの毛虫の毛針が刺さっているのが一目で分かった。
丁寧に一本一本取ったが、激痛は治まらない。
靴の中に入ったモノを取り出してはいた。
アキレス腱付近が靴に当ると棘(とげ)が刺さっているような痛みが足を襲った。
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