!戦いで人は成長する!
この足で最後の難関に挑むのはかなり危険だった。
七つ目の難関は100メートルぐらいの坂道を下らなければいけない。
地面はサラ砂と砂利でかなり滑る上、角度が60度近くある為、慎重に行ってこけるよりは一気に駆け抜ける方がこける確率が低かった。
僕は、
『ラストスパートじゃ~!』
と、全身全霊を込めて最後の難関へ走りだした。
激痛を堪えながらひたすら猛ダッシュ。
凄まじい勢いで駆け抜け、やっとふもとに到着した。

一息入れる暇もなく、そのまま家に直行した。

家に着くと、ピンセットで毛針を丁寧且つ(かつ)慎重に抜いていった。
地道な作業をこなし終えると、疲労と空腹でベッドに倒れ込みそのまま深い眠りについた。

長い長い修行は終わった。
今、思えばゾッとする体験だった。
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