!戦いで人は成長する!
『そういえば傷…。』
急いで怪我を月明りで照らし確認した。
傷口に張り付きにくいガーゼを巻いた上から包帯で固定してあり、最後に包帯のズレ防止にテーピングで固定してあった。
Sが血や膿(うみ)を優しく拭き取ってくれたのはなんとか覚えていたけれど、傷口を固定してくれたのは知らなかった。

迷惑と心配をかけた上、一人の女の子を危険にさらした。
事前に防げなかった自分が悔しかった。
昔のように…。※外伝『過去の悪夢』で明記。
僕は、“教官”と呼ばれるのに相応しく(ふさわしく)ないと考え、この道場と別れ、『教官』と呼ばれていた自分を捨てて新たな第二の人生を歩んで行こうときめ、道場に戻った。

中に入ると、Sが起きていた。
『すまん、起こしてもたな。』
そう言って布団の上に座った。
Sは目を擦りながら、
『ううん。そんなことないですよ。腕は大丈夫ですか?』
と、傷を心配してくれた。
『おう!ありがとうな。お陰でマシになった。それより寒くないか?…ちょっと待ってな。』
急に立ち上がり、更衣室から布団一式を持ってきて横にひいた。
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