狂おしい程君を愛してるー月下美人ー


「まぁ今は俺一人やし、
気も楽になったわ」


「いいな…」


本音がこぼれてしまった。




「皐月ちゃ…」

「桜」


遮るようにあたしは言った。
本名を教えたのは
澪音が初めて。

いつもオッサン達の前では
「彩」




「えっ?サクラ?」


「うん。
あたし皐月じゃないねん。
本名、桜」


「だって保険証…」


「あれ姉貴のやから…」




言ってしまった。


あたしは皐月でも彩でもなく
「桜」に戻る。
< 35 / 223 >

この作品をシェア

pagetop