運命~誰がために~
その町人は幾度か街中で彼を見たのだろう。彼が誰なのかすぐにわかったようだった。


『新選組』


それが彼が属する組織である。


「この娘、どこかからおっこっちまったんだろう。全身傷だらけだ。俺らでどうにかしようかと思ったんだけども……」


そう言った町人の指さす所に、まだ20歳には満たないであろう娘が横たわっていた。


「何か問題があるのか?」


そう言って娘に近付くとか細い声が聞こえた。








「新選組に…………新選組に…………」





「その娘、さっきからずっと新選組、しか言わないんでさぁ。だからどうしたもんかと思ってな」



困ったように町人は溜め息を付いた。
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