気まぐれ社長の犬

一條は私をちらりと見たけど、すぐに麗美さんを見つめ部屋を出て行った。



「はーあ…面倒な事になりましたね」


「…悪い」


「もてる男の婚約者の運命と思うしかありませんね。響城さんは悪くありませんよ」



暗い顔をする響城さんの頭をぽんっとなでる。



「…何かされたら言えよ」



そう言って響城さんも私の頭を撫でる。


この手が…表情が…私は大好きなんだ。


「私を離さないでくださいね?」


「当たり前だろ。逃がさねーよ」



そう言って意地悪そうに私の頭をくしゃくしゃっと撫でる響城さん。



「わっちょっとー止めてくだ…」



私が髪を直していると突然唇が重なった。



「ん…ふ…」



腰を引き寄せられ、舌が絡み合う。



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