気まぐれ社長の犬

「妃和、ボディーガードじゃなく婚約者になってくれるか?」


「…私は今まで通り婚約者兼
ボディーガードでいたいです」


「は!?何でだよ」


「響城さん危なっかしいですから…私が守って差し上げます」


「いらねーよ!!俺がお前を守るんだって」


「私その必要はありませんから」

「俺だってボディーガードなんて必要ない」


「うるさいですね…私は心配なんですよ。響城さんにケガなんてして欲しくないんです」



もうなんなのこいつ?
可愛すぎなんだけど……


俺は妃和にキスをした。



「ここ、外ですよ」


「仕方ねえだろしたくなったんだから。もう早く家に帰るぞ」


「えっ仕事はいいんですか?」


「大丈夫だ。優秀な副社長がいるからな」


「そうですか。あっ私はまた秘書に戻ってもいいんですか?」


「当たり前だろ。社長ってのは暇なんだよ。だからお前はまたソファーでチョコでも食ってろ」


「その為のチョコですか。本当にあなたは面白い人ですね。単純で優しくて真っ直ぐで…だから信じられる」


「今日はずいぶん素直だな」


「私はいつもそうです」


「あっそ。まあ周りのやつらを信じられなくてもいい。でも俺だけは信じとけ」


「…わかりました」


「よしっ帰るぞ」


「またタクシーですか?」


「ああその方が早そうだし。お前止めろよ」


「私ですか!?…タクシーってどうやって止めるんですか?」


「はぁ!?お前そんなのも知らねえのかよ!!まずお前は社会勉強から始めろ!!」


「社会のことなら知ってますよ。大手建設会社のあの社長実は…」


「実は…じゃねえよ!!そういうことじゃなくて常識!!もうお前本当バカ」



でもこういうところも全部好きなんだよな……

くそっ可愛すぎなんだよ!!


俺、今までで一番幸せかもしれないな。

もう絶対に離さないから――覚悟しとけよ?



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