ワンダフルエラー

冬色ジェラシー






「ねぇ、十夜ぁ。ほんとのほんと?」

「本当だよ、天宮さんとは生徒会で一緒なだけ」


俺が付き合ってるのは沙耶香だけだし、そう言ってニッコリ笑えば、どこか不安そうに、でも嬉しそうな顔を彼女はした。


中学を卒業して、もう2年が経つ。

今年の6月に、俺とサラは生徒会に入った。


人望の厚いサラは当然の如く生徒会長に推薦され、なぜだかその流れで俺も副会長に任命されてしまった。

元々仲が良い上にこんな面倒臭いことになり、周りでは自然と俺とサラが付き合ってるなんて、そんな馬鹿馬鹿しいことを言うやつすら出てくる始末だ。


ちらりと隣にいる彼女を見る。


「…てか、なんで沙耶香がそんなこと知ってんの?」


高校には行かず、アパレルで働く沙耶香にサラのことを話したことはないはずなのに。


「サトシに聞いた」

「…あいつ…」


中学の時に喧嘩別れしてから、こうして陰から手を出してくる元親友にはうんざりだ。

俺は内心深い溜息をついた。
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