Last.
『うん。また後で。』



言葉は短いけど、それが美月らしくもあった。



部屋に着くなり俺はいつも抱きしめる。



この手で美月の存在を確かめたかった。



『汗くさっ…!』って言われるのがオチなんだけど。



その後じゃれ合ってキスをする。



この瞬間が好きでたまらない。



あれから、あの男の話はしていない。



『会ってるのか?』なんて聞けなかったりする。



美月の口から、あの男の話が出るのも嫌だけど。



でも、そう簡単に引くような相手とも思えなかった。



その数日後、想いは的中した。



あの男がまた、施設に現れた。















< 141 / 233 >

この作品をシェア

pagetop