夕闇の旋律

「ああぁあ!?瀬久さん起きちゃ駄目ですよ！寝てなさい!!」

詩音が起きたことに気づいた看護婦が詩音に駆け寄り、無理やり詩音を寝かしつけた。

「痛っ……痛いですってば！」

ずきずきと脈打つように痛む足を気にしながら詩音は看護婦に文句を言った。

「あら。ごめんなさい。でも瀬久さんが悪いんですよ。足を庇いもせずに倒れた瀬久さんがね」

「あ……そういえば」

詩音はそこでようやく自分の状況を思い出した。

「なんか、寝てろって声がして、それで眠くなって……」