導く月と花に誓う
散らばったピースを集め


あの時、猫鈴さんが見せてくれた映像。


狐燈のお母さんの言葉。


それから、おじいちゃんの言葉。



木村君と猫鈴さんの言葉。





『――二度と狂わないように
記憶を、封印したらしいんだ。

……己の姿が…消える時まで…』





『時は、刻々と彼の心を蝕んでいる。
貴方(きほう)よ。
そなたしか、彼は救えない。

彼(か)を、心を、救え…──』






わからない。



わからないよ、おじいちゃん…。






ほろほろ、と溢れた涙が頬を伝ってきて、ポタリ、とその上に雫が落ちた。




すると、あたしはふと。



少しはみ出して見える何かの角を見つけた。




それは、真っ白な封筒で、そこには。




【千秋へ】




年季の入った文字でそう、記してあった。













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