【完】甘い恋よりもそばにいて
あたしの体は静止する。
動かない。
と言うよりは
動けないの方が正確だが…。
ぶつかった男の人は立ち尽くしたまま
一歩も動こうとしない。
だから今だにあたしの体は固い地面と仲良く引っ付いてる。
そして凄く目立ってる…。
用事があるんじゃないのか??
あんたこそどこかに消えてくれ!!
あたしの心の中はざわざわと騒がしい。
もう最悪だ。
最低過ぎて笑えない。
「おい……」
不意にかけられた言葉。
えっ……?
と顔を上げる間もなく
目の前の男は、
私の腕をいきなりつかんで。
ーーあたしをさらった…。
視界がグラっと揺れたのは一瞬で。
まばたきする間もないくらいの
かなりの早業。