【完】甘い恋よりもそばにいて
——パタン…
寝息をたてる莉華に
なごり惜しみながら寝室を出た。
俺は、
照明もなにひとつつけていない
真っ暗な廊下の壁にもたれて
おもむろにズボンの右ポケットから携帯を取り出した。
電話をかける相手は決まっていた
最初から。
プルルル、プルルル…
『もしもし歩くん…?』
「あー、久しぶり。元気してた?」
『うん。どうしたの急に…』
「いや、なんていうか。
デートしたいなぁっと思ってさ
由奈と…」
『え…?歩くんいきなり何言って…。あ、知ってるよね。私、結婚するって』
あ、焦ってる。焦ってる。…クク
めっちゃウケるな、
相変わらずはずさねーなピュア由奈。