秘密の恋愛レッスン
ファーストキス
「~という訳なのよ!!」
次の日の昼休み、私は千晴に全て打ち明けた。
「はぁぁぁぁぁぁ!?」
「しぃ~~!!声が大きいよ!!」
みんなに聞こえちゃうよぉぉ!!
「ごめんごめん。で?」
「で?とは?」
千晴が声を潜めたので同じように小さな声で言った。
そのあと、千晴は「はぁ」とため息をついた。
「このどんかん!!」
「ど・・・どんかん!?」
「だぁかぁらぁ!!恋よ!!」
「・・・はぃ?」
「ちょっとのどきどきでも、それがいずれ恋になるの!!」
「はぁぁぁぁぁっ!?」
大声で叫んだせいか、クラスメイトが一斉にこっちを見た。
ごめんなさいとジェスチャーで送り、気持ちを落ち着かせる。
「とにかくっ!!恋なんてありえない!」
「ふぅ~ん・・・まぁ、ガンバッ!!」
「だからっ!!ちがうっ・・・」
キーンコーンカーンコーン・・・
弁解しようとしたとき、運よくか悪くか、学校終了のチャイムがなった。
「じゃあねぇ~!!」
「あっ!!ちがうからね!!」
「はいはぁい」
ほんとぉに分かってんの!?
この気持ちは恋なんかじゃないんだから!!

みんなが帰った後一人で考えた。
そういえば・・・名前・・・
聞いてなかったなぁ・・・
・・・格好良かったな。
あのときすごく怒ってたから良く覚えてないけど・・・
背は私より、10センチぐらい高くて。
髪の色は真っ黒なサラサラ。
目は優しそうで・・・
って!!!
チョーはっきり覚えてるんですけど・・・

そのとき、ちょうどその男似の男が教室に入ってきた。
「そうそう、あんな感じの・・・って!!」
「よぉ!!由美」
「あっ・・・あんたはあんときの・・・」
「そのあんたって言うのをやめろよ」
「じゃあ、なんて言うのよ!」
すると、ニヤリと笑って私の髪をすきながらささやいた。
「俺の名前は秋原 和弥」
「ちょっ!触んないで!」
「なぁ、呼べよ」
「はぁ!?・・・秋原くんっ!これでいい!?早く手ぇ離して!」
「和弥」
「は?」
「10、9、8、7、6・・・」
待ってよ!何のカウントダウンなわけ!?
疑問に思いながらも、一向にカウントダウンをやめない。
「5、4、3、2、1・・・」
気づいたら、背中に違和感があって・・・
「0・・・」



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