極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
夏輝は私と兄貴の幼なじみ。

兄貴と総長と副総長として、名コンビだった。



夏「どうした?」



情報分析班の責任者として活躍する夏輝は、仕事のせいで目が悪くなった。

けど、よく似合う黒縁の眼鏡をクイッと上げて、私を見て、隣の回転椅子をボールペンで差し、座るように促して来る。

私は椅子に座り、一呼吸。



愛「“千花”って、知ってる?」



そして、質問をぶつけると、夏輝は資料に視線を落とし、ボールペンをそっと置いた。

張り詰めた空気に、私は生唾をゴクリと飲む。
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