極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
夏「愛理華…」



愛「良かった、無事で…」



私は安堵から涙を溢す。

夏輝はジャケットのポケットからハンカチを取り出し、私の涙を拭う。

生乾きの夏輝の手に付いた血と、私の涙が染み込むハンカチ。

私は夏輝の左手を掴んだ。



愛「何があったの…?」



夏輝は私の手を離させようとするが、私はそうはさせない。

私は夏輝の彼女でしょ?

…全て、聞く。



夏「…優奈から、メールが来たんだ」



夏輝は私から目を逸らす。

視線は赤く照らされた“処置中”の看板に向いて居る。

私は中に、優奈さんが居ると、確信した。




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