極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
―夏輝 SIDE―



愛「良かった、無事で…」



…俺は、どうして優奈の所へ行ったんだろうか。

俺の手を握って泣く愛理華に、罪悪感が溢れる。

心配させたし、優奈とは“何もない”と言ったのは俺なのに…。

確かに何もなかった。

けど、優奈に“死ぬ”と言われ、拓馬に“見て来て欲しい”と言われて、体が動いてしまった。

リスカをした優奈をひっぱたき、帰ろうとした。

でも、「私と居てくれないなら…」と、優奈は自分の胸を刺した。

飛び散る血を浴びる俺の目の前で、優奈は倒れた。

見過ごせるわけがなかった。
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