極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
愛「え…?」



そこで私はハッとした。

…今、“最期”って言った…?



夏「雄也と俺が集会に遅れた時、幹部のトップだった拓馬に任してたら、あいつは千花を、無理矢理、たまり場の外に出した。
泣きじゃくってた千花をシカトしたら、泣き声が苦しむ声に変わった。
拓馬に後輩が声を掛けて、ドアを開いた時には、もう、呼吸は止まりかけ。そんなタイミングに俺らが来て、袋を当てようが、気道確保しようが、手遅れだった…」



愛「兄貴も拓馬も…引きずってるの?」



夏輝は私を見て、一度だけ頷くと、すぐに私から視線をずらして、首を振った。
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