極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
「食べない」と言った俺の目の前でパスタを頬張る優奈。

優奈は俺の視線から逃げる。



夏「お前はこれで満足なのか」



優「…お兄ちゃんの事なら、諦めたわよ。それから考えたの。夏輝しか、私には釣り合わないって」



…どんな理由だよ。

俺は水を飲み、立ち上がった。

優奈の父親が絡もうと、俺はやっぱり行けない。

愛理華が居て、俺の人生が成り立ってる。

ずっと、雄也と俺の背中を追って来た愛理華が傍に居ないのは、納得が行かない。



優「帰らせないわよ。私にはお兄ちゃんという、強い味方が居るんですもん。【氷野米組】にだって負けないわよ」



優奈はナフキンで口元を拭いながら呟く。

俺は拳を握り、優奈に背を向けた。
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