極道夫婦―18歳の恋戦―【完】

交わされた約束

それはきっと、“兼ねてた”という、過去形の部分が原因だろう。



夏「岡田真桜は、愛理華を好きだ――」



ーーガッシャーンッ

夏輝が低い声で言った時、愛理の部屋から、何かが落ちた音。

夏輝がドアを開けた。

それは、愛理が写真立てを落とした音。

愛理華の足元に壊れた写真と、散らばったガラスがあった。



夏「愛理華、動くなよ?
将人、掃除機、持って来い」



将「はい!」



将人は一階に掃除機を取りに行き、夏輝は愛理華をベッドに座らせ、モコモコとした絨毯に苦戦しながら、ガラスを拾う。

俺は椅子のキャスターの下に滑り込んだ写真を拾った。
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