極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
夏「海、行くか?」



愛「…行きたい。
でも、その前に…訊きたいの」



夏「何だ?」



愛「優奈さんて、誰…?」



私がそう聞くと、夏輝は驚いた顔をしながら、額を離す。

私は反射的に、夏輝に強く抱き着いた。

夏輝は私の頭を撫でる。



夏「優奈は元カノ。居場所も知らないし、愛理華は何も心配するな」



心配じゃないんだよ。

心配もしたけど…本当はヤキモチだよ。



夏「今の俺には、愛理華しか見えねぇ…」



愛「好き…」



私は夏輝の肩に顔を埋めた。

心地よい、夏輝自身の香り。
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