永遠の翼
―――きみに、見せたいものがあるんだ。



何度目かの世界の果てで、彼がそう言った。



―――見せたいもの?



わたしの問いに、コクリと頷く。



―――これを見て欲しい。



ひとつの鏡が現れる。



そこに映っていたのは・・・



わたしの妹。



たいせつなひと。



たいせつな家族。



その彼女が、うずくまっている姿だった。



―――彼女は、何をしようとしているの?



わたしは平静を装って訊く。



―――きみと同じだよ。



―――永遠を求めている。



―――彼女もきっと、ここに来る。



強い声で、彼が言った。





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