永遠の翼
第2章

永遠の世界Ⅲ

白い世界・・・



その中に、街があった。



―――ここにも、街はあるんだね。



わたしは感心したように呟く。



―――そうだね・・・



彼がそれに応える。



街の人は皆、笑っていた。



どこまでも、幸せそうな笑顔。



わたしが、求めてやまなかったもの。



それがここにあった。



―――きみは、あの中には入らないの?



わたしが、彼に尋ねる。



―――うん。



彼が、強く頷く。



―――どうして?



わたしは訊き返す。



―――ぼくは、ただの案内人だから・・・



顔を伏せる。



―――そう・・・



わたしはそれ以上なにも訊かなかった。


< 47 / 230 >

この作品をシェア

pagetop