永遠の翼
「・・・というわけなんです」


「・・・なるほど」


音羽の説明に秋夫さんが頷く。


俺たちは4人で川上家のダイニングにいた。


秋夫さんに電話で状況だけ伝えて、後は川上家で音羽本人の口で説明することにしたのだ。


「話は分かった。つまり、しばらく住ませて欲しい、ということだな?」


「いえ。ただ、今晩泊めていただけるだけでけっこうです」


音羽が秋夫さんの言葉を否定する。


「そういうわけにはいかない。高校生の女の子がホームレス生活なんてロクなことがないぞ。やめておいたほうがいい」


「でも・・・いいんですか?」


申し訳なさそうに尋ねる。


「構わないさ。しばらく、ウチに泊まっていくといい」


秋夫さんが明るく言う。


「・・・ありがとうございますっ」


音羽は深々と頭を下げた。


「よかったね、優ちゃんっ」


「ただし、ウチに住む以上、ウチのルールは守ってもらう。いいかい?」


「・・・はいっ」


音羽が強く頷いた。


・・・そんなわけで。


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