先生は蒼い瞳の狼くん
「お前、右手…」
「え?」
指差された手を見ると、手から真っ赤な血が流れ出ている
「あ…」
うそ、全く気付かなかった…女の子に気を取られてて痛みなんか感じなかったから分からなかった
いや、でも…ノートしか持ってないのに転んだだけで、こんなに切れるんだろうか
思わず、自分が手をついでにいた所を見ると開いたままのハサミが転がっていてそのハサミに血ついている
これで、切っちゃたんだ…
「ハサミで切ったみたいだね…」
ん?でも、なんでこんな所にハサミが?
さっきは無かったような…まぁ、いいか
「確か、絆創膏が…」
私が反対の手でポケットを触ろうとすると、その手が龍之介くんに力強く掴まれる
「…え」
「それだけ切れてるのに絆創膏でなんかおさまるかよ!」
「……」
「冗談じゃねぇよ」
グイッと半ば無理矢理立たせられて散らばったノートとハサミを素早く手に持ち半ば強引に歩き出す