先生は蒼い瞳の狼くん





私も行かなくちゃ…一回教室に戻るとなると、急がないと10分じゃあ玄関には行けない



「先生、じゃあ…私も帰ります…」


「ん?あぁ」


「あの、手当てと…ジュースとか…その、色々ありがとうございました…」



そう言い、再び頭を下げて保健室を出ようとすると、"雪村"と呼ぶ声が響く


「?」


「一応、明日も消毒するから朝でも放課後でもいいから時間がある時に保健室にこい」



え…

明日も来なくちゃいけないの…?



「あ、えっと…」


ど、どうしよう


どう上手く断れば…っ


「雪村」


少し、呆れたような低い声に私の考えなんてバレバレなんだろう…だから抵抗出来なくて…



「わかり、ました…」


「よし、なら帰っていいぞ」


「はい、さようなら…先生」


「あぁ、また明日な」



トボトボと保健室を出て行く私の後ろ姿はきっと誰もが見ても惨めだろう


また明日も保健室に行かなくちゃいけないのか…


考えれば、考えるほどブルーになってくる




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