120秒の恋
「ほら、それに好きな歌なんかも全然違うでしょ。坂井さんヒップホップとか聴かないし」
(・・・嘘だよ。わたしだってヒップホップなんて聴かないよ)
「テレビだって見る番組ちがうから話し合わなくてつまらないよ」
(・・・全部嘘に決まってるじゃん。テレビなんて無くたっていいよ)
しゃべっているうちに、胸がいっぱいになってきた。
この世で一番大好きな人に、こんな嘘を言っていることが辛かった。
「それでもいいじゃないか。
話が合わなくたっていいじゃないか」
彼は優しい目でわたしのことを見た。
(ダメだよ、そんな目で見たら。わたし泣きそうだよ)
「坂井さんは麗子さんと結婚したほうが幸せになれるよ」
「幸せ?」
「坂井さんには出世してもらいたいもん」
「出世のために彼女と結婚しろと言うのかい?」
「そうだよ。
それぐらいのズルサは必要だよ。坂井さん、いい人すぎるから。
坂井さんが偉くなったら、その時は私を愛人にでもしてもらおうかなぁ。フフ」
(・・・嘘だよ。わたしだってヒップホップなんて聴かないよ)
「テレビだって見る番組ちがうから話し合わなくてつまらないよ」
(・・・全部嘘に決まってるじゃん。テレビなんて無くたっていいよ)
しゃべっているうちに、胸がいっぱいになってきた。
この世で一番大好きな人に、こんな嘘を言っていることが辛かった。
「それでもいいじゃないか。
話が合わなくたっていいじゃないか」
彼は優しい目でわたしのことを見た。
(ダメだよ、そんな目で見たら。わたし泣きそうだよ)
「坂井さんは麗子さんと結婚したほうが幸せになれるよ」
「幸せ?」
「坂井さんには出世してもらいたいもん」
「出世のために彼女と結婚しろと言うのかい?」
「そうだよ。
それぐらいのズルサは必要だよ。坂井さん、いい人すぎるから。
坂井さんが偉くなったら、その時は私を愛人にでもしてもらおうかなぁ。フフ」