120秒の恋
タクシーは希望の丘公園に着いた。

わたしはお金を払うと、急いで外に飛び出した。

辺りには電灯もなく、どこまでも深い闇が続いていた。

タクシーの明かりだけが、公園の入り口を照らしていた。


わたしは走って公園の中に入った。

すると、こちらに近づいて来る人影が見えた。

見覚えのあるシルエット

車のヘッドライトが照らしたその先に、彼がいた。


「テ~ル~」


おもいっきり叫んで、駆け出した。


そして彼の胸の中に飛び込んだ。

強く抱きしめながら彼は

「希望の丘へようこそ」と言った。

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