120秒の恋
彼の口元が小さく動いた。

(大丈夫?)

声は聞こえなかった。


でも、

そんな風に動いた気がした。


私は無言のまま頷いた。


彼と交わした

初めての会話。


温かい何かに包まれていくような気がした。

電車が揺れたとき、私はそっと彼に近づいた。

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