120秒の恋
「お二人は食事されます?」

クルミさんが彼に聞いた。

「いや、会社で食べたからいいよ」

「じゃあ、乾杯しましょうか」

ビールを頼んで乾杯。

「それにしても、どうして俺がここに?」

三上さんが不思議そうに呟く。

「それはですね、」クルミさんが説明を始めた。
「橘さんの歓迎会なので、坂井さんを誘いました。
でも、そうすると女ふたりに男がひとり。
当然、私がお邪魔になるので三上さんは私にお付き合いくださいませ」

「・・・つまり合コンか」

クルミさんはニヤリと笑った。

すると三上さんは左手を上げて結婚指輪をクルミさんに見せた。

「え~、奥さん有り?」

「残念でした」

クルミさんは苦笑した。

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