終末の法則
終末の法則
「よく来たな。勇者よ」

「え?なになに、今度はどこなのよ」

 忘れたのですか。ここは大邪神殿都市の地下にある復活の祭壇です。

 闇より濃く広い空間は、中央の祭壇を中心に禍禍しい気に満ちていた。

 床には、うっすらと燐光を放って巨大な反剋の法陣が描かれている。

 そして、祭壇の上に狂気の邪神官奇夢露がたたずんでいた。

「そうなの?」

 そうなんです。早く理解して合わせて下さい。

「そう?まあ、いいわ。えーと、あなたが奇夢露ね」

「そうだ。私が奇夢露だ。我が神の祭壇にようこそ。ちょうど最後の儀式の準備が整ったところだ。我が身を最後の貢ぎ物とし、お前を最初の貢ぎ物としてやろう。そして世界は崩壊し、世は終末を迎えるのだ」

 奇夢露は白い貫頭衣のフードの下から、狂気に満ちた双眸を輝かせて言った。

「そうはいかないわ。あなたをその祭壇から引きずり下ろして倒す。そして、世界を救うの、それが勇者の使命よ」

「世界を救うだと?救うだけの世界があると思っているのか?世の終末は世界が、民が望んだことなのだ。私はそれに応えたに過ぎない。民は変化を求めた。それは終末の後にやってくる。世の終末は全ての終わりではない。次の世へ繋がる変化点なのだ。それが終末の法則だ」
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