飛行機雲
『なんで?学校は?』
弘人に聞く。
『寝坊、寝坊』
『そうなんだ』
『お前は?』
『私は…ちょっと』
私は言葉を濁す。
病気だなんて言ったら嫌われるかもしれない。
『まぁいいや、後ろ乗るか?』
二人乗りってこと?
カップルみたいじゃん。
『ほら、早よ乗れ』
迷ってる私を無理やり乗せる。
『えっちょっと』
私はあわてる。
『つかまっとれよ』
弘人は無邪気な笑顔をみせると自転車を飛ばした。
『きゃあ、恐いからゆっくり走って』
私は泣きそうになる。
『だからつかまっとれ』
『うん』
私は言われた通りに弘人の背中にくっついた。

…温かい弘人の背中…
こんな温もりはじめてあじわった…
安心する…
ずっとこのままでいたい…時間が止まればいいのに…
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