余命一カ月の僕
春香は人差し指を
すっと僕と先生の前に突き出す。


「どちらにしようかな…」


そして春香の指先が止まった先は
先生だった。


「先生に決まりね」


僕はもうどこに座ろうが
どうでもいいんだけど


僕に乗らないという選択肢は
ないようだ。


春香が乗り込もうとした矢先
急に春香が声を上げた。


「わー見て!満月よ!」


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