クリスマス・ハネムーン【ML】
 僕は、今まで。
 
 何度も、何度も、何人も。

 年も、人種も様々な。

 色々な女を抱いたことがある。

 その時は、みんな。

 女、であるがゆえに。

 男、の僕のカラダの凹凸に。

 ぴったりなじむような曲線を描いているのに。

 ハニーと初めて抱きしめあった夜。

 その形の違和感に。

 カラダが拒絶しているのを感じた。

 ともすると『嫌悪』になりかねないカラダの不具合に。

 僕を誕生させてくれた神にさえも、背を向ける。

 背徳の恋なのだと思い知る。

 それでも。

 ハニーの暖かい体温と。

 震える心が、全てを吹き飛ばした。

『愛してる』っていうただ、それだけ。

 静かに強い。

 その、想い一つだけが。

 カラダの違和感も。

 社会のモラルも。

 そして、理性さえも、超えたんだ。


< 21 / 174 >

この作品をシェア

pagetop