クリスマス・ハネムーン【ML】
「螢……私も……愛してる……」

 僕の言葉に、ようやく安心したのか。

 ハニーは、僕の瞳をまっすぐ見つめて、切なげにつぶやいた。

 そして、僕の手が導くまま。

 僕の鎖骨の上を強く吸い、自分の所有の印みたいな、キスマークをつけてから。

 次に、また。

 ハニーが唇に、唇を重ねて、互いが、互いの吐息を奪いあう。

「「……愛してる……愛してる……」」

 息の合間に、切れ切れに紡がれる言葉が、もはや。

 僕がささやいた言葉なのか。

 ハニーの声かなんて、判らなかった。

 熱に浮かされて、何度も繰り返される、愛を誓う睦言だけでは、足りないと。

 薄手の服とは言え。

 布切れ一枚、僕たちの間にあるのは、邪魔だと。

 僕たちは、お互いの衣服を脱がせ合い、一つになるために、絡み合う。

『愛してる』

 なんて。

 そんな、魔法みたいな言葉に酔いしれながら。

 ただ、ただ、ハニーのことが愛しくて。

 溢れる感情が切なくて。

 僕たちは、何度も一つに溶け合い。

 そして。

 ココロと感情の赴くまま。

 何度も何度も果てた。




 ……

 クリスマスの夜が、明けるまで。

 疲れて、睡魔が襲って来るまで。

 僕は。

 僕たちは、ずっと。

 愛し合うのを止めようとしなかった。

 
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