ぼくとわたし
曲がり角にきた。




『じゃあ、俺はこっちだから!』




と 先生は自転車に乗った。





『…!はい!』


一瞬
部活のことで不安気な顔をしていたみたいで



『大丈夫かぁ?』




と聞いてきた。





『本当に大丈夫です!』








その時


先生がいきなり生真面目な表情になり


僕と目と目があい


恋愛小説でいう
『見つめあう』みたいになった。








目の奥の 僕の不安を読みとったみたいだけど





気遣ってくれたみたいで
何も聞かなかった。







そしてまた笑顔で挨拶を言うと



先生は言ってしまった…
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